第14回 里野 和敬氏



里野 静好氏

10月8日(火) 玉川町桂にある曹洞宗のお寺宝蔵寺に、里野和敬氏を訪ねました。
まだ青々とした銀杏をながめながら山門をくぐり、ほうき目のある境内を通り抜けるとご本人が、我々を笑顔で出迎えて下さいました。里野さんは、昭和51年1月生まれ、現在、奥様と3人のお子様の5人家族。


スタッフ:
4月のお釈迦さんの花まつりには、私たちが企画したウォーキングでお世話 になりありがとうございました。
里野さん:
いえいえ、おおぜいの方に参拝していただいてよかったです。
スタッフ:
お仕事のことをお聞きしたいんですが、里野さんは何代目になられるんですか?
里野さん:
父が24世で、僕が継ぐと25世になりますが、今は葛谷にある宝泉寺の住職をしています。
スタッフ:
仕事以外、地域での活動などお話しください。確か、若者塾に入っていらっしゃいましたね。
里野さん:
そうです。こちらへ帰ってきて、24歳頃ですね。同級生に誘われまして、いろんな行事のお手伝いをしました。
 
スタッフ:
このたびNPO法人玉川サイコーへも入会していただきまして、ありがとうございます。若い感性、力を発揮していただきたいです。次に、ご家族のことお聞きしてもよろしいでしょうか?
里野さん:
妻と、子どもが6歳、3歳、3ヶ月の3人です。結婚当初は旧今治市内に住んでいましたが、上の子が来年小学校へ入学するもので、これを機会にと思いまして。玉川は生まれ育ったところですし、知り合いも多いですし、こちらで暮らすようになりました。
スタッフ:
そうなんですか。趣味は?
里野さん:
野球ですね。小学校の4年生からリトルリーグに入っていまして、高校まで野球部でした。今は仕事の都合で、あまり参加できませんが草野球を楽しんでいます。
スタッフ:
体格がいいですね。お仕事のことをお伺いしますが、今はどんなことを主にされていますか?
里野さん:
お盆の施食会(施餓鬼会)や、愛媛県で行われる青年会や四国での青年会に参加しています。
スタッフ:
法要などは?
里野さん:
父が体調不良なものですから交代で法事等しています。
スタッフ:
曹洞宗というと永平寺で修行されましたか?厳しかったのでは?
里野さん:
はい。厳しいというか、今まであたりまえだったことが、ぜんぜんちがう事が多いので戸惑いましたし、生活のリズムに慣れるのも大変でしたし、1ヶ月で10キロ痩せました。修行の期間は最低1年ですが、私は1年半居りました。10時就寝で2時起床でした。食事は、精進料理です。
スタッフ:
肉はだめですよね。
里野さん:
そうです。でも、大豆で加工した肉そっくりのおかずが出ましたよ。
スタッフ:
座禅は?
里野さん:
曹洞宗の基本は座禅ですから、座禅中心でした。それと作法です。三黙道場といってしゃべってはいけないところもあります。
スタッフ:
苦しかったこともありましたか?
里野さん:
最初は正座がきつかったですね。おなかがすいたり、水も飲めなかったり、眠れなかったりしました。眠っているのか起きているのかわからないような状態でした。高校、大学と曹洞宗の学校でしたから友達もいっしょに修行に行ったこともありまして、まいってしまうことはありませんでした。
スタッフ:
これから、住職というお仕事のかたわら地域とどのようにかかわっていきたいと思っておられるのかお聞かせ下さい。
里野さん:
そうですね。玉川サイコーもちょっと興味がありまして入ったのですが、地域の町おこしも必要と思いますが、青年会で東日本大震災のボランティ アさせていただいて思ったことです。福島へもいきましたが、実際に現地へ行ってみて、被災地のお寺がどういうふうにかかわったか知りました。避難所としての役割だったりですが、困った時どう連携がとれるか、地域とつながりをもって、どう災害などに備えるかとか青年会で話し合っています。
スタッフ:
大切な地域活動だと思います。今、少しずつですが玉川町も変わりつつあると思うんですが、それについてはいかがですか?
里野さん:
そうですね。若い人を動かすような会を援助して欲しいですね。実際に会ができても子育て世代なので活動はしにくいと思いますが。
スタッフ:
その他には?
里野さん:
曹洞宗の青年会では、今でも放射能汚染などで外で思いっきり遊べない福島の子どもさんを四国へ招待しました。去年今年と、生名へ25名来てもらいました。青年僧や学生ボランティア、看護師が同行して来てもらいました。行政の協力もありました。玉川へも招待したいですね。
スタッフ:
座右の銘がありましたら。
里野さん:
特にありません。でも、これからは檀家さんはもちろんですが、地域の人にもっとお寺に来てもらえるような行事をしていきたいです。例えば座禅とか。心を落ち着かせたい時、ただひたすら無心でいたい時、座禅はいいです。お寺の役割は、地元と密な関係を持つことだと思います。
スタッフ:
本日は、お忙しい中、貴重な時間をありがとうございました。ますますご活躍下さいますように、そして玉川サイコーの事務所へもお顔を見せて下さいね。

来年の花まつりのこと、釈迦岳にある宝きょう印塔、蓬莱さんのことお話は尽きませんでした。生まれ育った地域とのかかわりを密にしたいと思ってらっしゃる里野さん、物静かな素敵な奥様とお寺を守って、ご家族も大切にして、しっかり子育てにもかかわっておられる様子を垣間見ることができたひとときでした。