第15回 長野 和幸氏



長野和幸氏

松の内も取れた1月17日、玉川町龍岡の湖畔の里を訪ねました。年中多くのお客さんで賑わっているこの場所で、一際元気良く声をかけてくださるのが「さくらクラブ」の代表で名物おじさんの長野和幸さん65才です。この日も満面の笑顔で「いらっしゃい」と迎えてくださいました。
以下、店舗の隣の和室で和やかにインタビューをさせていただいた様子です。


スタッフ:
湖畔の里に関わるようになったきっかけは?
長野さん:
職業と聞かれたら林業です。湖畔の里ができた時、地域興しの為の何かをと思いお手伝いさせてもらったのがはじまりで、だんだん仲間も増え現在は100名あまりのボランティアグループ「さくらクラブ」となっています。
スタッフ:
え~~っ!湖畔の里の従業員さんではないんですか。
長野さん:
そうですよ。私たちは、湖畔の里のイベント時や忙しいときに駆けつける、ボランティアの盛り上げ隊です。湖畔の里には恒例になっている大きな行事が、年間4つあります。

① 2月はじめの猪鍋。1月15日号の広報でもお知らせしていますが、今年は2日の日曜日に開催します。1000食用意しますが無料にしていますから毎年好評で、午後からのお客様にお侘びをしなければいけない状態です。

② 春の桜まつり。桜の開花状況によって日時を決めるので何時とはいえませんが、花の咲くころ1週間から10日を通して開催いたします。定番のお餅や赤飯、野菜のほか、うどん、タコ焼き、トウモロコシ、アマゴの塩焼き等々沢山の店が並び、遠く松山方面からのお客様も増えてきました。ダム湖周辺が1年を通して一番美しい季節のイベントです。

③ 9月初旬の新米祭り。龍岡の米のおいしいことも年毎に口コミで広がり この日は120kgの新米をおにぎりにして振舞います。コシヒカリとアキタコマチを裏方の女性が炊き上がるのを待って、熱いのを扇風機などで冷ましながら手を真っ赤にして握ってくれます。が、握っても握ってもアッという間になくなってしまいます(笑)これも収穫の時期に合わせるので、9月の第1か第2の日曜日になります。

④ 12月28日の餅つき大会。この日が湖畔の里の御用納めで最後の営業日となります。7俵ですから420kgのもち米をペッタンペッタンと杵でつきます。この日は市内南高のボート部の生徒さんが、ボランティアで手伝ってくれ、若い人たちの笑い声は活気がありお客さんにも好評です。他校からも何か手伝わせてくださいと申し入れがあり嬉しいことです。 昨年は、玉川駐在所の高野(たかの)さんのお世話で本署の若い男性おまわりさんにも手伝っていただいて助かりました。年間通してもち米を使うのでその確保が大変ですが、町内の農家さんと契約して1年分のもち米は倉庫に入っています。
スタッフ:
今年の桜まつりはNPO法人玉川サイコーも何かで参加させていただきたいですね。
いつも新鮮な野菜がお安く提供されていますが、地域の皆さんの湖畔の里への思いや関わり方は、変わってきましたか?
長野さん:
できた当時は、沢山ある新鮮な野菜も家族で食べ切れなかったらここに出荷していましたが、最近は、先ず良品をお客様に食べていただき、家族はその後でと変わってきました。そして、値付けもお互いを理解しあい暗黙の了解でスムースに付いているようです。何より良いのは「あんたとこのキャベツえらいようでけとるけんど、どがにしよんか教えてや」「ほうかん、それはねゃ・・・」と、地域の皆さんのコミュニケーションの場になっているのがすばらしいことだと思います。外部のお客さんで賑わうのは勿論ですが、肝心な地元の人たちが、楽しく賑やかじゃないと、本当の地域活性化にはならないと思います。名物のおはぎや、お餅つくりも龍岡のお母さんたちにとって何よりの楽しみになっていますから。
スタッフ:
楽しみながらお小遣いにもなる。これはNPOには耳が痛い話で、教えてもらわんといかんねぇ(大笑い)ところで、湖畔の里がここまで人気のお店になっているのは、他にも何かあるような気がしますが。
長野さん:
おばさんもおじさんも、誰でもみんな笑顔でお客さんの顔を見ながら「暑いね。寒いね。今日の大根はようできとるよ」などの会話を交わせる対面販売が要因かもわかりません。最近は旧市内の農家さんも出荷したいとの問い合わせがあり、品揃えは豊富になっています。が、地元で採れたものを提供する地産地消は、変わることはありません。
スタッフ:
ボランティアといえど、長野さんの元気な呼びかけやキビキビとした行動は 湖畔の里の集客に欠かすことはできませんが、その元気の元は?
長野さん:
歩くことは気をつけています。本業が林業ですから山坂を歩くのは苦になりません。怪我をして今は少し休んでいますが・・・。
大きな声を出すのは、実はそのことで返ってくるお客さんの声に元気をいただく。笑顔も同じで、「遠くからよくきてくださいました。」の気持ちが笑顔になり、反応してくださった方の笑顔でまた笑顔になれる。
スタッフ:
まさに、笑顔の連鎖ですね。そして長野さんの、人と関わることが好き、好きだけじゃなく、楽しませてあげたい、笑顔にしてあげたいのサービス精が、湖畔の里にあふれているのですね。
最後に、これからしたいことや、こうなりたいことがあれば教えてください。
長野さん:
何時までも元気で、体が動く限り地域に貢献できれば良いと思っています。
スタッフ:
それは私たちも同じ思いです。どんなこともお互い元気で楽しくできたら良いですね。
本日は、お時間をとっていただきありがとうございました。
最後に生年月日をお聞きすると、昭和23年12月25日と言われましたから「クリスマ スじゃないですか」と返すと「イエス!」と胸で十字架をきりました。「はい」とキリ ストのイエスをかけているんです。そこで又みんなで大笑い!!最後まで笑顔はじける 長野さんの取材でした。いつもはカメラマンに徹している磯野さんもつられてハイポー ズ!

こんな楽しい長野さんに会いたい人は、2月2日の猪鍋を食べに行きましょう!