山の緑が美しい季節、龍岡木地にお住いの田鍋貢さん、ミツエさんご夫妻をお尋ねしました。
玉川には「木地」と呼ばれる地名が2カ所あります。「鈍川木地」と「龍岡木地」。いずれも、手を伸ばせば空の雲がつかめそうなほど、玉川で一番天に近いところという感じです。
龍岡木地は、松山に抜ける水ヶ峠トンネルの手前のあたりになります。蒼社川源流域の森林を生活の場としてきました。廃校になって久しい龍岡小学校木地分校を中心に、昭和30年頃は、約40世帯、200名あまり住んでいましたが、今は、現在は田鍋さんご夫婦を含め3軒しか住んでいません。
ここにある観音堂の本尊は、十一面観音菩薩で、秘仏となっています。田鍋さんご夫婦は、このお堂を長きにわたり守ってきました。
60年に一度のご開帳だという観音堂に手を合わせ、当時は国道の方までこだましていたという鐘をたたかせてくださいました。
そして、坂の上から私たちが見えなくなるまで、手をふってくれた田鍋さんご夫婦。
どうかいつまでもお元気でと願いながら木地を後にしました。