第17回 渡部 賢之氏



渡部賢之氏

今回は、玉川町畑寺にあるグループホーム瑞鳳荘に、管理者の渡部賢之さんをお訪ねし、お話を伺いました。


スタッフ:
本日は、よろしくお願いします。まず生年月日をお伺いしようと思ったのですが、じつは私の娘と同い年なので・・・
渡部さん:
そうです。46歳になります。実際はもっと年長にみられます。
スタッフ:
小さい頃のお話を伺ってもよろしいですか?
渡部さん:
やんちゃでした。思いっきりやんちゃでした。悪かったですねえ。誰に聞いてもらっても知ってると思うんですが。
スタッフ:
そうですか。ご両親を困らせたんですね。長生きされたおばあさんがおいでましたよね。
渡部さん:
はい。104歳でなくなりました。
スタッフ:
104歳とは、ずいぶん長生きされたんですね。よくお世話されたんでしょうね。ご家族の皆さんで。
渡部さん:
そうですね。ここにもいましたが、最後は病院でした。
スタッフ:
お孫さんにお世話してもらって、幸せなおばあさんだったと思いますよ。
渡部さん:
そうでしょうかね。お酒が飲める祖母でした。私が飲めるのは、祖母からきていると思います。
両親は、飲みませんからね。
スタッフ:
適量のお酒は、長寿の秘訣かもしれませんね。それでは次に、玉川に生まれ育って、いろいろなお世話をされてこられたと思うんですが、PTAのお世話もされましたよね。
渡部さん:
はい。今、高校生の長男が玉中生の時、会長をさせていただきました。もう、2年前になります。当時の校長先生は近所にお住まいで、古い話ですが、近くのお家の建前の餅まきの時、まだ小学生だった私の目の前に大きなお餅が飛んできたのを校長先生が壁になって守ってくれて、拾うことができました。その時のうれしさは今でも覚えています。そんなこんなで、会長を引き受けました。何かの縁でしょうか。
スタッフ:
そうだったんですか。いいお話ですね。校長先生は、近所のやさしいお兄さんだったんですね。ところで、生まれ育った玉川ですが、どう思われますか?
渡部さん:
よくも悪くも田舎ですねえ。私も、外へ出て行きたかった頃もありますが、山も海も楽しみますから、自然と遊べる玉川、いいと思います。
スタッフ:
玉川町へどっぷりですね。
渡部さん:
そうです。どっぷりです。地域自治会の会計のお世話もさせていただきました。
スタッフ:
まだ、お若いのに・・・。世代交代ですね。ご趣味は?
渡部さん:
海へいったり、山へ行ったりです。海は、魚つり。小学4年の息子と行きます。山は、鹿です。猟は、親子で行っています。まだまだ父親には、かなわない時もありますよ。(ちなみに、渡部さんのお父さんは、76歳)
スタッフ:
ご家族は、ご両親と、奥様と、お子様は?
渡部さん:
子供は3人おりまして、高2の娘、高1の息子、そして小学4年の息子です。長女は、体育会系で、北高のボート部です。
スタッフ:
ボート部ですか。じゃ、玉川ダムでも練習してますか?
渡部さん:
してますね。今度、全国大会に出場します。
スタッフ:
まあ、おめでとうございます。すごいですねえ。応援しないといけないですね。
質問を続けますが、今のお仕事をされるようになったきっかけは?
渡部さん:
高校卒業後、ある方に誘われまして・・・。最初は特別養護老人ホーム瑞鶴荘でした。まったく未知の世界で、戸惑いましたが、自分で決めたことですし頑張りました。もう21年になります。そのころは、それほど福祉、福祉といわれる時代ではなかったです。
スタッフ:
そうですよね。
渡部さん:
その頃は、老人ホームの入所やデイサービス利用は、なんでそんな所へといわれた時代でしたね。こちらからどうぞ来てくださいと言っていたのが利用者が増え、今では待ってくださいというようになりましたからね。
スタッフ:
そうでしたよね。こちらの管理者として心がけていることは?
渡部さん:
平成16年から瑞鳳荘へきましたが、グループホームですから家庭と同じようにということを理念にしています。とにかく日々楽しくなくては、いけないと思っていますので、あまりきまりは作らず、自由にしています。一緒に遊んだりもしています。
スタッフ:
アットホームなんですね。入所者は何人ですか?
渡部さん:
18名です。75歳から100歳まで平均年齢87.3歳で、介護度の平均は3.8です。
スタッフ:
そうですか。お仕事をしていて何か思うところはありませんか?
渡部さん:
入所したいんですがと来られて、満床なので・・・とお断りするのがものすごく辛いですね。そういう時には、ご家族の相談にのるようにもしています。それと、どこも同じなんでしょうが、年中人手不足ですね。きつい仕事ですから。職員の入れ替わりは多いです。
スタッフ:
今、渡部さんご自身の生活の中で気を付けていることがありますか?
渡部さん:
メタボですねえ。40歳でたばこを止めました。そのせいもあるんでしょうか。
スタッフ:
よく止めれましたねえ。きっかけは?
渡部さん:
6年前の朝倉の山火事の時です。消防団なんで、出動していてアレッ何時間も我慢できたよ、ということに気がついて、2日間で意外と止めれました。
スタッフ:
よかったですねえ。なかなか止められない人が多いのに。では、これからの玉川町がどんなふうになればいいと思われますか?
渡部さん:
一番思うのは、玉川で生活できるそれなりの仕事があればいいと思います。企業を誘致するとかして若者が働ける場所があるといいと思います。消防団でも若い人がおりません。今治市全体でもっと将来のことを考えて欲しいです。
スタッフ:
これからの渡部さんの人生、どのように暮らしたいですか?
渡部さん:
今、小学4年生の息子のめどがついたら、趣味を生かせる人生を送りたいですね。
スタッフ:
いいですねえ。今日は師走で何かとお忙しいのに、ほんとうにありがとうございました。
介護という大変なお仕事も生来の明るい性格と、パワーで日々楽しくホームの方々と接していらっしゃる渡部さん。リビングでは18名の皆さんの笑顔と楽しいおしゃべりが絶えることはないでしょう。今年もあとわずか、来年もまたよいお年でありますように・・・。