庄屋さんの柿
玉川の葛谷の庄屋さんの柿はとても有名です。
この柿は、民話にも出てくる柿で、鬼原、御厩(みまや)の庄屋さんの柿はもうありませんが、ここ葛谷の服藤さん宅の柿は今も実がなります。
棟瓦も立派な屋敷の奥にある高さ20mに余る老木です。
服藤家23代当主の賢彦(まさひこ)氏に伺いました。
今治城築城のおり、人夫をたくさん出したお礼に藩主から賜ったものだそうです。
当時は、甘柿と渋柿が1本の木に実る大変珍しい木でした。
実がなったら地元の人たちに分け与えるように、しかし枝は1本たりとも折ってはならぬと厳しく言い伝えられてきました。
今もそのことは受け継がれており、盆栽を大きくしたように四方八方に伸びた枝は邪魔になるときもあるが、一切手を入れていません。
小さいころはたくさんの実がなり、近所の子らと柿の木にのぼって採ったものです。
今でも100個余りの実をつけますがほとんどが渋柿だそうです。
だんだん弱って、あちこちにつっかえ棒をしてもらい、あらん限りの力で実をつけている様は、胸にせまるものがありました。
木の側には、玉川町指定天然記念物の石碑がポツンと立っていました。
また、庄屋さんのお宅の屋根の棟瓦はとてもめずらしく、印象に残りました。
庄屋さんは、新しくするか直すかしたいけれど、なかなかしてくれる人がいなくて・・・と話されていました。
いや~、この古さがなんともいえず、いいですよね。また龍のめずらしいこと!
こうした職人技も、伝承していってほしいなぁと思いました。
2012年11月7日| Category:玉川めぐり隊