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11月2012

九和小ふるさとクラブの「たのもさんづくり」

11月14日(水)九和小学校のふるさとクラブの支援を行っている「ボランティアグループたまがわ」の皆さんが、ふるさとクラブの児童(4年生~6年生のクラブ員)と共に、「たのもさん」づくりをしました。

最初に「たのもさん」のいわれを説明し、作り方を説明してスタートしました。
子どもたちははじめは慣れない手つきでしたが、メンバーに教えてもらいながら、真剣に取り組んでいました。

粘土細工を授業でしている子どもたちですから慣れれば、ほらご覧のとおり!!
とても上手です。

みんな、うまくできましたよ。完成です。
この「たのもさん」は、町のホームページ「玉川ねっと」で集めた「歳時記」の資料をもとに作成しました。
「玉川ねっと」でも、町内の各ボランティアグループと連携して、ふるさとの文化を伝承していくための活動の協力をさせていただけたらと思っています。
学校とも、もっと連携したいですね。
そのためには、しっかりと町の人のおはなしを聞いて、正確な玉川の文化や歴史を記録していかなくてはと思いを新たにしました。

あなたの地域でも、もし「たのもさん」を復活さえたい方々がいらっしゃったら、「玉川ねっと」までお気軽にお声がけください。

亥の子さん


玉川には「亥の子」(ごうりんさん)という行事が残っています。
旧暦の10月の最初の亥の日にごうりんさん(いのこ石)をつきます。

昔、イノシシやモグラが田畑を荒らして困っていたことから、石で土をついて固めたことが最初だと言われています。

ごうりんさんは、田の神、男子の神としてまつられており、その年に男の子が生まれた家が宿となって子供たちが集まり、豊作と子孫繁栄をお願する行事です。
写真は11月10日(土曜日)の高野での亥の子の様子です。


去年のお宿がごうりんさんを預かっているのでそこに集合します。
そして1軒づつついてまわります。ちなみに高野の集落は約60軒ほどあります。
本来は、子供の生まれた家が今年のお宿になりますが、今年はお宿をしてくれるところ(子供の生まれた家)がないので、子供たちは最後は集会所に集まりお菓子などの接待を受けます。

12月8日に2回目をついてまわり、9日には1軒づつに配りものをして回ります。
他の地域では、亥の日でなく、土曜日や日曜日に変更して続けているところもあります。
また、昔は女の子は参加できませんでしたが、子どもが少なくなって女の子もついているところもあります。
今も昔も子供たちにとっては楽しい行事です。
「玉川ねっと」では、これから先、亥の子さんをつきながら、歌う唄も集めていきたいと思っています。
ぜひ、ご協力をお願いします。

庄屋さんの柿

玉川の葛谷の庄屋さんの柿はとても有名です。
この柿は、民話にも出てくる柿で、鬼原、御厩(みまや)の庄屋さんの柿はもうありませんが、ここ葛谷の服藤さん宅の柿は今も実がなります。

棟瓦も立派な屋敷の奥にある高さ20mに余る老木です。


樹齢400年はあろうかと思われます。

服藤家23代当主の賢彦(まさひこ)氏に伺いました。

今治城築城のおり、人夫をたくさん出したお礼に藩主から賜ったものだそうです。

当時は、甘柿と渋柿が1本の木に実る大変珍しい木でした。

実がなったら地元の人たちに分け与えるように、しかし枝は1本たりとも折ってはならぬと厳しく言い伝えられてきました。

今もそのことは受け継がれており、盆栽を大きくしたように四方八方に伸びた枝は邪魔になるときもあるが、一切手を入れていません。

小さいころはたくさんの実がなり、近所の子らと柿の木にのぼって採ったものです。
今でも100個余りの実をつけますがほとんどが渋柿だそうです。

だんだん弱って、あちこちにつっかえ棒をしてもらい、あらん限りの力で実をつけている様は、胸にせまるものがありました。

木の側には、玉川町指定天然記念物の石碑がポツンと立っていました。

また、庄屋さんのお宅の屋根の棟瓦はとてもめずらしく、印象に残りました。
庄屋さんは、新しくするか直すかしたいけれど、なかなかしてくれる人がいなくて・・・と話されていました。

いや~、この古さがなんともいえず、いいですよね。また龍のめずらしいこと!
こうした職人技も、伝承していってほしいなぁと思いました。

鈍川探検隊募集!!

鈍川地域の活性化に取り組んでいる今治商工会議所さんは、来る11月18日(日)に、「鈍川探検隊」を募集しています。
ガイドは、地域史研究家 大成経凡氏。
約3時間程度で、鈍川周辺の近代化遺産めぐりをします。
水力発電所である鈍川発電所の歴史や、今まであまり知られていない鈍川の歴史を深まりゆく秋の中感じてみませんか?
詳しいお申し込み、お問い合わせは、今治商工会議所さん(電話 0898-23-3939)まで。

鈍川は、今美しい紅葉の季節を迎えています。ぜひ皆さんお誘いあわせてご参加下さい。

鈍川温泉宿泊体験ツアーに参加して

この度今治商工会議所さんの鈍川地域活性化事業で、鈍川温泉宿泊体験ツアーが開催されました。
参加希望の応募が多く、51組の中から厳選なる抽選で選ばれた市内10組市外5組の参加でした。
その様子をご紹介します。
10月25日は鈍川もとても秋の深まりを感じました。


25日は午後集合で、今治の郷土の歴史を研究なさっている大成経凡さんがガイドしてくれました。
せせらぎの音が聞こえます。

鈍川温泉の起源は、明治4年今治藩知事・久松定法(さだのり)が湯治場「楠窪冷泉浴場」を作ったことにはじまります。
大正になると温泉組合ができ、鈍川温泉となり、道後、本谷と共に「伊予の三湯」「美人の湯」と呼ばれています。
まず、近くのいいところで、鈍川発電所に行きました。

鈍川木地の流れを利用して大正9年今治電気として、発電機2台で運転開始。
昭和29年発電機1台に取り替えて出力増強し、今に至っています。
昭和52年から無人化となり旧宇摩群の土居町で管理しています。
最大出力は800KWで、だいたい玉川の所帯位に供給できるそうです。
しかし、電気は貯金が出来ないので、とにかく、つくり続けないといけないそうです。
  
「知らなかったー。」参加者の皆さんから驚きの声が。
今回の宿泊体験ツアーでは、こうした地元の人もあまり知らない鈍川の歴史を、大成さんが丁寧にしかも楽しく説明してくださるのが、とても人気でした。
また、発電所の中も見学させていただきました。
 

次は玉川近代美術館です。
絵を鑑賞と言うより、今解放されている国宝「伊予国奈良原山経塚出土品」を観ることができました。

いつもは閉まっている扉があいて、初めて本物を観るという人がほとんどでした。

仏教経典を世に残すために、地中に埋めたのが経塚で、昭和9年楢原山の山頂にあった奈良原神社の地中から見つかっています。
京都の鞍馬寺のものと並び双璧と言われてますが、実際に見ることができるのは鈍川のものです。
これは、定期的に見せてくれるそうですので、一見の価値ありです。

ここまでで1日目は終了であとは、お待ちかねの食事です。
どんなお料理がでるかとても楽しみでした。
旅の楽しみの大きなものに、食事がありますからね。
山菜料理もいいですがば、鈍川らしさ出すのは難しいと思います。
マコモタケとか原木しいたけとか、新鮮な食材で調理したものならいいですが、塩漬けしたワラビやタケノコはいらないんじゃないかな・・・などとあれこれ考えながら待っていると、とても美味しいお料理が出てきました。
 

川魚にこだわらず、瀬戸内のいきのいい刺身は絶品でした。
デザートまで板長さんの心意気が伝わってきた、いいお料理でした。
モニターさんたちは3つの旅館に分かれて宿泊したのですが、ちなみに1泊2食で11,000円とのことでした。

温泉のお湯は、ほんとうにすべすべ、ヌルヌルは昔と変わらなく大満足でした!!
やはりお湯の質のよさは売りにしてほしいですね。
ですが、女性にとっては特に気になるアメニティーは・・・・・。
今治の鈍川温泉ですから、タオルがゴワゴワしているのは、ちょっと・・・いただけません。
コップや、スリッパ、大浴場の石鹸シャンプーなど・・・・やはり鈍川らしさを出す中にも、清潔感のあるアメニティグッズは一考していただけるといいですね。
参加者の声にも多く出ました。

2日目はせせらぎ交流館で意見交換です。


率直な意見で言えば、温泉の入り口の大きなゲートのような看板に始まり壊れかけた提灯、廃屋となっている建物も多く、もう少し景観がなんとかならないものだろうか。
お部屋やお風呂から見える山々も、もう少し手入れが行き届いていると感じがよいのでは・・・

ハイキングに、トレッキングにウォーキングにいいところがいっぱいあっても、地元の人が知らないし、整備ができていない。トイレがないも残念なところ。
 
県外からの方は道後は知ってても鈍川は知らないとか、とにかく広報不足。インターネットで鈍川温泉開いても行ってみたい情報がUPされていない・・・などなど。
でも厳しい意見が出たのも、皆この鈍川温泉のよさを是非ともPRしてもらいたいからこそ。

いいところをどう活かしたらいいかというアイデアもいろいろ出ましたよ。
とにかく美しい自然を活かしたい!自然が一杯なんだからこの自然とコラボした企画をしたいところ。
登山をしてお風呂、サイクリングコースの終点を温泉にする。
美術館、遊歩道、川遊び、季節を感じる参加型のイベントを行う。
湖畔の里の新米祭りも出ました。
しまなみ海道沿線の温泉とのコラボで温泉めぐりツアーもいいのでは。
差別化の意味では薬草を使った薬膳料理などもいいのでは。
皆さん、次々とアイデアを出しました。
このようなモニタリングをするなら、宿泊施設には知らせないで期間限定でお泊りをして意見交換が、本来の旅館の姿が見えるという意見もありました。
最後にコーディネーター役を務められた中小企業診断士の玉井先生は、今世の中は健康ブームだからそこにスポットを当て、温泉と何かを組み合わせることが集客率を上げるのに欠かせないでしょうねと締めくくられてました。

いろいろな熱い思いが集まって、企画された方も、参加した人たちも、鈍川温泉がなんとか活性化されてほしいという思いで開催された今回の宿泊体験ツアーです。
私たちの地域活性化事業とも、なんとか協力しあっていくことができればと、皆で話し合いました。
でも、先ずは知ること。感じることですね。
ふるさとのお宝は、私たちの足元にあります。