龍岡寺の大般若祈祷会
1月8日、玉川町龍岡上の「龍岡寺」さんにて、「大般若祈祷会」という法会が開催されました。
この日は、本尊さまである薬師如来の縁日で、初薬師の日この玉川の一帯の結衆寺院が交替で日をかえて、この法会を営んでいくのですが、その年の始めが龍岡寺さんの大般若で幕をあけるのです。近所の檀家さん達も、多勢参拝に来ます。
法会には、各寺院の方がいらっしゃいます。龍岡寺さんも若い住職の悠弘さんに世代交代。玉川の他のお寺さんでも若い住職さんに代替わりしたところが増えました。
この日も悠弘さん、気合いが入っています。
この法会が始まる前に、檀家総代の人達が集まり年始の総代会が開かれます。その後、いよいよ祈祷会が始まります。
これは大般若祈祷会を営む時の本尊となる「釈迦と十六善神図」のお軸です。
真ん中に座しておられるのが、お釈迦様。
向かって右側には白象に乗った普賢菩薩。
左側には獅子の上に座す文殊菩薩。
脇仏として配置されているそのすぐ下、僧形の仏さまは右側が常啼菩薩 (じょうたいぼさつ)が、左側には法涌菩薩 (ほうゆうぼさつ)がおられます。
さらに、その下に笈を背負う玄奘三蔵(三蔵法師)、首から髑髏を下げている赤い色をした鬼神が、河に棲む蛇神である塵沙大王( じんじゃだいおう)。
そして、これら全体を取り囲み守護されているのが、十六善神です。
十六善神とは、般若経とその誦持者の守護を誓った十六の夜叉神でお薬師さまの十二神将に四天王を加え、十六善神と呼ばれます。
このような、木製の箱の中で保存されている「大般若経」全600巻これを「転読」して、社会の平和や国家の安泰、壇信徒の方達の家内安全などを祈る法会なのです。
その他にも、五穀豊穣や事業繁栄、厄除祈願に良縁成就などなど・・・様々なお願いを十六善神の法力によって叶えていただきます。
転読とは、皆ご存知かも知れませんが、お坊さんが、大般若経を頭の少し上に掲げ、両手を広げてお経をパタパタパタ・・・・と、めくっていきます。その様子は圧巻です。
この般若の「梵経」をめくった時に、風がおこりこの風が「梵風」となって、お経をお唱えするのと同じように功徳をもたらすとされ、このご利益を人々に分けるという意味合いがあります。
まさに般若経の転読の法味をもたらさんとするといったところでしょうか。
この所作を行う時、お導師さんを合図に大声で経題を叫びます。
初めて参拝される方はびっくりするかもしれませんね。
私もびっくりしました(笑)
お正月の、おめでたいご祈祷会なので、厳かな中にもにぎやかさがあります。
法会が終わったら、ご住職のお話があります。
その後に、ご住職さん主催の「七福神のくじ引き」があります。先代のご住職さんの代から始まり、恒例になっています。
このくじ引き、檀家の人たちはとても楽しみにしていて、数字の書いてある札を配って箱に入れてあるクジを引き、景品をいただきます。
弁天賞や、大黒賞など七福神さんにちなんだ賞があるんですよ。
皆新年早々御利益をいただいたという満足感?!(笑)皆さん福の神が来たみたいにニコニコです。
その後は、ご住職さんを囲んで、檀家総代さんたち、みんなでお食事しながら盛り上がります。これらのお接待は、寺総代関係の女性たちが手伝って和気あいあいと行われます。
次の日、ご住職がこの時に拝んだお札を各願主に届けてくださいます。紅白のお供物もいただきます。
祈祷会に使われた大般若経は、ご住職・悠弘さんの手によって大切に仕舞われます。
龍岡寺さんの大般若祈祷会は、新しい年を迎える地域の大切な行事となっています。
2013年1月8日| Category:玉川のニュース