万葉植物についての講演会
6月28日(金曜日)玉川支所会議室で「万葉植物について」と題して講演会を開催しました。
「NPO法人玉川サイコー」は、総合公園内にある万葉の森の整備に力を入れることになっており、そのためには、万葉植物のことを少しは勉強しようと、本日の勉強会になった次第です。
講師は玉川で教鞭をとったことがあり、退職後は「みどりの相談窓口」でも活躍されている千歳滋先生で、20名ほどがユーモアを交えた軽妙な講義に耳を傾けました。
先ず最初に先生からのプレゼントです。
幸せを運ぶと言われている、四葉のクローバーを栞にしたものが全員に配られました。
そして「これは、なんでしょう」「はーい!クローバーです。」
答えはブッブーでした。
万葉集では田字草(でんじそう)と詠まれて、葉の形が田の字に似ているのが名前の由来で葉っぱは、全部四葉なのです。
クローバーはヨーロッパから当時ギヤマンと呼ばれていたガラス製品を輸入した時、それらが割れないように、詰め物として間に挟んだ干草の中に紛れていた種が、後に発芽して増えていったもので、万葉集に出てくる田字草とは、全くべつものだそうです。
みなさん「へ~。なるほど!」です。
しかし、近年この田字草は愛媛でも絶滅危惧品種に挙げられいて、このあたりでも野間地域から大西町に流れている品部川に少しだけあるそうです。
ふたつの違いは田字草が夜になると葉を合わせて閉じるのに対し、クローバーはそのままだそうです。
更に興味深かったのは、万葉集に歌われている「花かつみ」はこの田字草のことを指していると言います。
しかもその他にも、花しょうぶやマコモも「花かつみ」で表しているというのです。
花かつみ=マコモ又は花しょうぶ又は田字草なのです。
ですから植物園での表記は「花かつみ」の立て札のところには有力候補のマコモ、花しょうぶ、 田字草の3種を植えることができればいいそうです。
この草は押し花の標本や専門書のコピー、更に家紋の説明と大変詳しく説明した頂きました。
次にはハスの実を見せていただきました。、この実は2000年放ってて置いても発芽する強い生命力を持っていて、地下茎の蓮根は4文字のなかに「ん」が2回も出てくるので運のいい植物ですとの冗談に笑いも出てきます。。
他にも、柏の葉、クレナイ、リョウブ、いわひづら、サルナシなど次々と話がはずんでいきました。
又、今の季節目にする「ホタルブクロ」一般的にはその花の中にホタルを入れるのに丁度いいので蛍袋。
しかし、東北のほうでは提灯に似ているので火垂と書くそうです。
このようにどれが正しくてどれが正しくないと言うのは、なかなか難しいので、決め付けることはしないで人に聞くより、信頼できる本を念入りに読んで自分で調べることをお勧めしますと締めくくられました。
万葉集と聞いただけで堅苦しいイメージがありましたが、そんな既成概念が飛んでしまうような愉快な楽しい2時間でした。
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2013年6月28日| Category:活動報告